そして、昼休み。

いつもより急いでお弁当を食べ終えたわたしは、普段一緒にお昼を過ごしているしおちゃんたちに曖昧な理由をつけて、中庭へと向かっていた。


……昨日の、あの出来事から。

刹くんに会うのが、正直、こわかった。

わたしを嫌っているはずの彼が、どうしてあんなことをしたのかわからなくて。

もしかして、あれもまたわたしに対する嫌がらせだったのかな、なんて、そう思うのもこわい。


だから本当は、逃げ出したかった。

彼に呼び出された中庭にも、行きたくなかった。

……でも、そうしたら、また前と同じになってしまう。

ただ周りの人に甘えて立ち止まるばかりの、弱い自分のままだと思ったから。

それは嫌だと、思ったから。

だからわたしは、緊張しながらも、こうして刹くんの指定した中庭へと足を向けているのだ。