「じゃー、私も前と同じ体育委員やろーかな」
「おっ陽葵、ぜひそうしてくれ。女子はあまり体育委員やりたがらないからな」
「あはは、先生それ体育委員が前で体操しなきゃいけないからだからね」
「俺は良いと思うんだけどなー」
「女子高生はそうはおもわないんですよー」
ベーっと舌を出して笑う時田陽葵は、本当に楽しそうで、そんなに体育委員をやりたいのかと聞きたくなる。
「女子高生って、お前は違うのか?」
「あはは。まあねー、そういうの私のキャラじゃないし」
また、時田陽葵は何も面白くないのに笑う。
私だったら“お前は違うのか”なんて言われたら、冗談でも少し返答に詰まる。
可愛くもないし、ただただ地味なくせに、女子高生という特殊な感情が邪魔をする。心底クソな自分だ。


