男の名前を聞くのを忘れた。


奴は、任せろ、と手をあげて去る。


この選択が、のち俺をドン底に落とす。


俺は知らなかった。


海の家に戻ると、みんなが慌てたように出入りしてる。


「あっ、杉森くん。姫ちゃん知らない?」


「姫…?みてないけど」


なんだーーー?


「居なくなっちゃったの!!みんなで、探してるんだけど、お願い杉森くんも探して」


白雪ちゃんは、額に汗を滲ませながら探してる。


嫌な予感がする。