「新、帰ろう。かえって合宿やり直そう」


無理だよ。


俺は京から逃れられない。


一生付きまとう。

「俺は今さら戻れない。

それに京からも逃げられない。

それに俺はたくさん姫ちゃんを傷つけた。


だからー……」


無理なんだ、言おうとした。


目の前にあっちゃんが居てボロボロになった京が、足元にいた。


「新、もう………なんもしねー、負けたから。


悪かった」


京の気持ち。


初めて見せた笑った顔。


「兄貴………」


血は繋がって無かったけど、たしかに兄貴だった。