~回想~






「こいつ弱ぇー!」
「やっちまえ!」
「殺すなよーめんどいから。」





殴られ蹴られ。
正直、マジで死ぬかと思ってた。







「それくらいにしてやれよ。」


「はぁ?誰だよてめぇ。」


「俺ら?俺らはねぇ、銀楼だよ。
ま、下っ端だけど。」






自分から下っ端と名乗るとは。
そう思ったのを今でもよく覚えている。

けど、笑っているのに質の悪い不良よりも重く大きな空気は、その人の強さを表してたと思う。






「俺ら?てめぇ一人じゃねぇか。
つかさ、下っ端ごときが偉そうにしてんじゃねぇよ!」







不良が威勢よくいれたのは一瞬。
バキッ!と鈍い音がすると不良のうちひとりは既に倒れていた。

すごい。
純粋そう思った。