翼の横をすり抜けて、止めていた足を動かす。



「澪!」



突如呼ばれたその声に再び足を止めて振り返る。




「ありがとな!」


『…ッ!?』


「これからは俺も強くなるから!」


『もう充分だよ。』




充分だ。
むしろ僕に分けて欲しいくらい。

翼は強くなった。
真実を真っ向から受け止めて、ちゃんと前を見据えた。




『早く行きますよ。』


「りょーかい!」




僕らは長いか短いか、わからない時で生きてて少しずつ成長してる。

もう、迷わない。

守りたいなら真っ向から守る。
影で守るなんてもうしない。


大丈夫。


僕が暗闇で迷えば翼が来てくれるって信じてるから。

翼が迷えば僕が必ず行くと誓うから。


苦楽を共にした親友。
一生に一度の出会い。