翼さんはクスリと笑う。
それでも、どこか翼さんも寂しそうだった。




『……俺は、表舞台に残る。』


「「それでいい。」」




ふわっと笑う兄貴と翼さん。




「決めたなら出ていけ。
もう裏には関わるな。

それがお前のためだ。」




ポンっと叩いて奥の部屋へと入っていく兄貴。
翼さんは、やれやれと言ったようにため息をつく。




「あいつなぁ。
たまーにお前の家覗きに行ってんだぜ?

お前らの笑顔みてたら頑張れるって思考なんだから。

今度はbarの客として来なよな。」


『……けど、もう来るなって』


「barとしては普通なんだから、客としてきたって大丈夫さ。

ま、あいつはオーナーとして接するだろうから、澪とは会えねぇだろうがな。」


「元気かどうか見に来るのはできるだろ?」