「ちょっと、汐ー。」 『何?』 話しかけてきたのは幹部メンバーの一人で青谷 姫-aoya hime- 女みたいな名前だけど、正真正銘の男。 俺の一つ上で兄貴と同じクラスらしい。 「せっかく要さんと飲んでたのに、上の空だった理由を教えなさい!」 さっきまで要さんと飲んでた。 ジュースだったけど。 けど、あのbarのオーナーの声。 兄貴に似てた気がして、そればっかり考えてた。 『似てたんだ。兄貴の声に。』 「みぃに?」 首を縦に振る。