なんだかんだ言って家族を大切にしてるから。

だからこそ、自分が無事だったことを隠してきたんだ。

ここまで有名になったから、家族に迷惑をかけなくていいように。

何年一緒にいると思ってんだ。




「何考えてるか手に取るように分かるのがムカつく。」




ふと目をあけて、俺を横目で見ながら言う澪。




『はっ!
言ってろ!

来たぞー。』


「バイクで来るとか馬鹿だわ。」


『ま、それが表の人間の証だな。』





四つのバイクを見てクスリと笑う澪。




『行こうぜ。』


「はいはい。」





雫石の前に止まったバイクの前にふわっと飛び降りた。