「……汐はさ。 澪のこと怖いと思うわけ?」 「え?」 突然、俺に話をふった千里。 「汐はこの話聞いてる間、一回も俺の事見ないよね。 それって怖いから?」 「そんなこと……」 「ないって言い切れる?」 真っ直ぐに見つめて言ってくる千里。 笑ってる。 そう。 笑ってるんだ。 まるで自分を否定されることを受け容れるかのように。 「そりゃ怖いに決まってるでしょ。 その質問、愚問なんじゃない?」