…そうだ。


バカみたい。


何を勘違いしてドキドキなんてしたんだろう。


柊くんが私のことなんて見るわけないじゃない。どう考えたって、柊くんは私の前にいるグループを見たよ。


身の程をわきまえなよ、私。


自分のことが恥ずかしすぎて、スカートの裾をギュッと握る。


「無理だよ〜私なんか」


そう言いながら、頬を赤く染めてる女の子。
恋する女の子って感じでとても可愛い。


「無理じゃないって〜!今日、話しかけて見たら?」


「けど…」


「大丈夫だよ!私たちが応援するから!」


純粋にいいなって思う。
好きな人の話をして、恋を応援してくれる友達がいて。


今日も私は、この教室の中でたった1人だ。