「…あや…と、くん」


「ん?なに?」


「っ、柊くんが呼んでって言うから…っ!」


「違うじゃん」


っ?!


柊くんが、突然私の体を引き寄せてまた顔を近づけると、囁くようにそう言った。


だから…心臓に悪いって…!!


こんな至近距離!!
倒れちゃうよ!!


「絢斗、でしょ?」


「うっ、でも1回だけだって…」


「言ってくれないとチャイムなっても離さないよ?」


そう言って口角を上げて笑う柊くんは、完全に私の反応を楽しんでいる。


「…離してください、絢斗くん」


「フフッ、嫌です」


「そんな…」


「冗談冗談っ」


柊くんはそう言って、私の頭をポンポンとすると、「どうぞ」と言ってやっと体を離してくれた。


柊くん、全然チャラそうなイメージなんてないのに。


こんな風にすぐに触れてくるなんて、なんだか意外だ。


私は柊くんが見守る中、渋々食事を始めた。