それはスランプを言うやつかもしれない。


夢を追いかける途中に躓くことは誰にでもある。


その時に頑張って乗り越えることができれば、次のステップへと進んでいけるんだ。


俺はそう思い、沙希の手を握りしめた。


華奢なのにふわりとして優しい手をしている。


沙希が驚いた顔で俺を見たけれど、俺は手を離さなかった。


「大丈夫だよ。沙希ならきっといい保育士になれる」


その未来を奪おうとしている自分の口が、そんな風に沙希を励ましたのだった。