明日友達と遊びに行く約束してたのになぁ。
いつも通りベッドで寝てただけなのに。
なにがどう狂えば、こうなっちゃったの?
足が止まる。
前にいたクエンもそれに気づいて後ろを振り向く。
今度は小さくため息をついた。
「…ついてきてください。私ができることは全てします。だから、今は私を信じて。」
ほんの数時間しか経っていないが、
今までで一番優しい声音だった。
……うん。
今は踏ん張らなくちゃ…。
クエンが手を差し伸べてくれてる…。
自分一人じゃ何も出来ないんだから…。
拒むだけでは、だめ…。
…少しずつでも、“現実”を受け入れなくちゃ。
「……うん。」

