…私だってあの時何が起きたのか知りたいよ。
ほんの少し“想像”しただけで…。


だからむしろ、自分の身に起きたことを知りたい…。
呆れられても困る…。


悔しいけど、私に今あるのは、
自分とクエンという儚い関係だけだ。
今だってどうしていいか分からないのに、
クエンに捨てられてしまったら私はどうなるの…。


こんな得体も知れない人に頼るしかないなんて
辛すぎる…。



なんで、こんなことになってるんだろう…。

ここはどこだろう…。


家族に会いたい。
お父さんお母さん。

忘れようとしていた事実がとめどなく浮かび上がる。
思い出すだけ、悲しくなるだけなのに。
考えないように押し込めていたのに…。


一度タガが外れると洪水のように
止まることを知らない。


気がつけば涙を流していた。