ーーーバタンッ!!
背後で思い切り扉が閉められる。
ビクっと肩を震わせるが、
クエンはそんなのお構い無し。
「外で待ってますので、早く着替えてください。説明は……仕方ないのでそのあとします。」
「………。」
若干の沈黙が説明の面倒さを表現していたが、
むしろこちらはそれをしてもらわないと困る。
…とてつもなく。
理解とかそんなものよりも前に
知らないことが多すぎる。
こんな状況では、何もできない。
…いや、そもそも私自身なんの能力もないんだけど…。
期待されても困るんだけど…。
…いや、期待はされてないか…?
…とりあえず今は従っておこう。
このまま放り出されても野垂れ死ぬだけだろうし…。
服を広げてみると、
黒地に金のボタンが中央に一列の上着と
スラッとしたパンツ。
私の記憶の中では、これは学ラン…。
うん、間違いではないと思う。
白のワイシャツに腕を通し…、
パンツを履いて…、
…上着を羽織る。
うん、学ラン。

