今度こそ、体が動かなくなる。
気がつけば、杖は元の木製に戻っている。
どういう原理だったのか、なんて分からない。
今はそれどころじゃない。


男は本気だ。
本当に私を殺しにきてる…。


これは…夢?
本当に……夢?


あの重たい感触も、身の毛がよだつような恐怖も…
夢の一言で片づけられる?


信じられないけど…信じたくないけど…。


これはきっと、夢じゃない。




男が横から剣を薙ぐ。
今度こそ、終わりだ。
……ごめんなさい…っ。



私は何に謝るわけでもなく、
そう呟くとぎゅっと目を閉じた。