楪と京極

…。



「「あ」」

「…」



何か察したらしい杏と桜。

今だ呆然と…というか呆けた様子で私を見る美少年。



とりあえず教室を教えてもらおうと桜を見る。

「…あ!」







途端、声を出した美少女。



「霞」



呼ばれて、桜に視線を戻す。



「霞のクラスは1のA。で、彼は百千悠。時間ギリだから杏、連れてって」



簡単に説明だけすると桜は杏に指示を出して、

杏は杏で待ってましたと言わんばかりに立ち上がって歩き出す。



「じゃあ、2人共着いてきてー」



先に理事長室を出ると、そのまま歩き出した杏。



百千悠が慌てた様子で立ち上がったのが音で分かった。



杏を追い掛けようとした時。



「あっ、聞いてなさそうだから言うけど」



桜が話し出した。

私が聞いてない話?



「霞は百千悠の婚約者としてここに来たって事になってるんだけど」







時無。

家が出てきたのに反応して振り返ったものの。



「話は彼から聞くって事で。さ、行った行った」 



机に両肘付き、顔を掌に乗せるという体勢の桜を見て、

説明は言われた通り百千悠に聞くことにする。



あぁしているということは、やる気が無いというのを全身で表現してると同義だ。



視線を移し…。



ーパシッ

「とりあえず、行こ!」



「……はい」

抵抗せずに歩き出す。



…まさか両手包まれてそう言われるとは思わなかった。

しかも片手繋いだまま歩くとは尚の事予想していなかった。



結局杏に追いつく為会話はないままこの状態が続き、追いついたのは教室の前だった。