━━━次の日。 放課後は少し雨が降っていた。 咲来の教室を覗いた琢磨は、彼女がいないことに気付くと図書室に向かう。 そこに彼女はいた。 「渡未さん」 名前を呼ばれて、前の席のイスがカタンと動いた。琢磨が咲来の前に座る。 「ああ、こんにちは。 佐波君」 顔を上げて挨拶をする。