生まれつき心臓の病気を持つ『渡未(わたみ)咲来(さく)』。 高校生になった日から、文庫本より少し大きめのメモ帳に『遺証』と名前をつけて、自分の日常を小説に書くようになった。 いつものように小説を書いていたら、屋上で声を掛けられる。 そこで知り合った同学年の『佐波(さなみ)琢磨(たくま)』。 そこで彼に『遺証』の存在を知られ、それを通じてよく話すようになった時、彼が言った。 「じゃあ、俺の秘密も教えようかな？」 彼が咲来に打ち明けた秘密とは───？

『だから、翊暉さん。あなたが私を殺してよ』 人とは違う声を持ったため、それをコンプレックスに思っている愛叶。いつからか、携帯の音声アプリが声を出さない彼女の〔声〕になった。 しかしある時、彼女自身の“声“で発せられた言葉。そのお願いに翊暉は────！？ 愛されずに育てられた少女と愛情一杯に育てられた青年。正反対の２人が出逢い、紡いでいく恋愛物語。