「ヤキモチ?可愛い想くん!!

私が好きなのは想くんだけだよ」


私の言葉に赤くなる想くんが可愛くて、私は、からかってしまった。



「見んなよ、美羽」 


ーーーードサッ



彼の腕が、私を掴むーー


草むらに優しく押し倒され、身動きが取れない。


「想くんーーー」



やっと、絞り出したその言葉。


視線が絡むたび、お互いの鼓動の音が聞こえて来そうなぐらい。


私は、目を瞑ろうとした。


彼は私を見下ろしている。


彼の背後に見知らぬ男が、今にも殴りかかりそうなほど。


「そっ……」


怖くて声が出ない。


変わりに涙が、出た。


「大丈夫ーー怖くない」


彼は、右手を後ろに突き出した。