「いいなあ、ラブラブで」
「っていうかさぁ、
衣沙くんほんとあそぶのやめなよー」
「ほんとそれだよなー。
粟田さんこんなに一途に想ってくれてんのに、目黒お前サイテーじゃねーか」
女子の話をちゃっかり聞いていた野郎どもからも、しれっとブーイングの声が上がる。
……本当になるみが俺のこと好きだったら、とっくにやめてるっての。
「いいのいいの。
どうせ衣沙は遊ぶのやめられないし」
「目黒まじ殴りてえ……
つーかもういっそ、その貴公子と付き合った方が良くね?絶対そっちのがしあわせだわ」
そんなことぐらい俺もわかってるからな。
遊びまくってる彼氏と一途な後輩だったら、そりゃあ誰だって後者を選ぶだろうよ。
「お前ら、本人の前で悪口言いすぎ。
俺らの関係はちゃ〜んと成り立ってんの」
「はいはいノロケはいいっての」
「話聞けよ」
どこもノロケてねえよ。
もう話題に飽きたのか、全然なるみは俺らの会話に興味なさそうだし。……大概なるみも自由人だと思うんだよねえ。
「ってか、そうだ。なるちゃん、髪やって?」
なるみのそばに歩み寄って言えば、さっきのことが原因だからか、なるみは嫌そうな顔をする。
それでもバッグの中からいつものポーチを取り出すのを見て、小さく口角を上げた。
そんな俺らに、まわりが深くため息をついていたけれど。
俺もなるみも、気づかないふりをした。



