【完】姐さん!!




鈍感ななるみでも、さすがにツキからの好意には気付いてるはず。……でもなるみだしな。

これだけわっっっかりやすい俺の気持ちも気づいてないしな。



「なんで、って。

俺ら付き合ってることにしてんのに、嘘だってバレたらめんどいじゃん」



「………」



「ほかになんか理由ある?」



「……もういい。わかった」



むっと顔を顰めたなるみ。

俺の手を払ってすたすたと歩いて行ってしまうから、さすがにキスはやりすぎたかとちょっとだけ反省する。……本当にちょっとだけ。



でもそれぐらい、余裕なんてない。

近いのに、近いはずなのに、それもこれもなるみが俺のことなんて眼中にないからだ。




「ごめんって、なるみ。

放課後なんかおごるからデートしよ?」



「どうせ放課後なんて空いてないでしょ。

女の子との約束で1ヶ月近く埋まってるくせに」



「空いてるからデートしようよ」



嘘だけど。予定なら埋まってるけど。

でもなるみ優先の俺が「ごめん」って謝れば、すぐに予定は空けられる。なのになるみちゃんは、本日結構なご立腹らしい。



「奢ってくれなくていいし、デートもしない。

むしろ誰かと遊びに行ってきて」



ビシッとそう言い張って、先に教室へと入っていった。

……うん、完全に怒らせたなコレ。



でもまあ、なるみが俺に本気で怒ったことなんかねえけど。

どうやって機嫌をなおしてもらおうかと、後を追うように教室に足を踏み入れながら頭の中で考える。