だろうな。
でもそう思ってんのはお前だけじゃねえよ、なんて、そんなことを思った瞬間。
「姐さん、俺と一緒に行きませんか?」
「は……?」
俺とつないでいたのとは反対のなるみの手を、掬うように持ち上げるツキ。
そのまま手の甲に落とされたキスに、周囲の女子からさっきの悲鳴とは比べ物にならないほどの悲鳴が上がった。
見た目が見た目だから、忠誠を誓うようなくちづけがよく似合う。
……じゃねえよ。何してんだコイツ。
「やめてくれる? 俺のなんだけど」
ぐっとなるみを引き寄せて強制的に引き剝がし、後ろに隠す。
ちらっと振り返って見たなるみの顔が赤く染まっていて、余計にイライラする。
「いいじゃないですか。
衣沙さん遊んでるんで、その間姐さんのことは俺が独り占めしても」
「ふざけんな」
「大真面目ですよ?」
知ってる。知ってるから、腹立つんだっての。
お前がなるみのこと好きだってことぐらい、霧夏のメンツはちゃんと知ってんだよ。
「俺なら、姐さんに一途ですけど」
「だから?
なるみが納得してんだからいいじゃん」
俺とツキの会話に、困ったような顔をしているなるみ。
まわりはまわりで誰も止めようとしないし、むしろ余興だとでも思っているのか、熱気を感じる。



