【完】姐さん!!




本当にやめたら俺のこと選んでくれんの?なんて思うぐらい、なるみしか見えてない。

遊んでるけど、本命はなるみって言葉に嘘はない。



だから遊んでられる。

どうみたって俺の言動はなるみを好きでしかなくて、遊んでくれる相手からすれば、わかりやすすぎるらしい。



むしろここまでわかりやすいのに、どうして俺の気持ちに気づかないんだろうかと疑ってしまうほどだ。

一応は満月ちゃんのこと好きだって体(てい)にしてるけど、さすがにわかるだろ。



抱きしめたいしキスしたいし、

それどころかもっと触れてしまいたい。



無防備なくらいに油断した距離感。

信頼と言われれば嬉しいけれど、完全に毒だ。



「……なるみが、

本気でそう言うならやめてもいいよ」



ほぼほぼ告白みたいな日常会話。

それが当たり前になってることがおかしいんだって、はやく気づいて欲しい。




「でもどうせなるみは無理だろ?」



「………」



「俺と付き合う気ねえじゃん」



熱っぽい瞳はなるみにしか向けないし、甘い言葉だってほかの子にはムードに対して必要最低限しか囁かない。

心の底から溺愛しているようなセリフはすべて、なるみだけのものなのに。



「まあ、なるみは付き合うなら好きになる段階からはじめたいんだろうし。

俺らが付き合うとか絶対ありえないけど」



まわりに聞こえてしまわないように、声をひそめてそう言う。

実際なるみがほかの男を好きになったら、それこそおかしくなりそうなほど嫉妬する自信があるけど。



……ああもう、マジで心ごと奪ってやりたい。