1周年祝ってくれたのに頼るのは「つい」なるみなのかよ。
お前らの認識一体どうなってんだよ。別にいいけど。
「東ってことは……ニナくんたち?」
「だろうな」
きょとんとした顔で、俺を見るなるみ。
ざわつくたまり場に「大丈夫だろ」って声を掛けて中に通すように言えば、案の定見知った顔ぶれ。……おお。見事に幹部勢ぞろい。
「いさくん……!」
「ん? 舞ちゃんじゃねえの」
水瀬の腕からぴょんっと脱して駆け寄ってきたのは、舞ちゃんで。
抱きつかれたからなるみに紙皿を渡してそのまま抱っこしたら、まわりのメンツが困惑していることに気づいた。
「あの……衣沙さん?
一応東西って、対立してるんじゃ……」
「因縁どうこうってやつだろ?
でも俺らに直接関係ねえし、そもそも俺どころかなるみも勝手に東のメンツと会ってるぞ」
「え、姐さんって東と仲良かったんですか?」
仲良かったっていうか……
気づいたら仲良くなってたよな。学校抜け出したときも、なぜか東のメンツと昼飯済ませてたし。
「えへへ、いさくん」
「相変わらずかわいいなー」
そもそも妹を連れてきてる時点で、喧嘩なんてする気がないのはすぐにわかる。
舞ちゃんの頭を撫でていたら、隣からじっと感じる視線。……あ。