「ねえ、真白。一つだけ訊いていい?」





石川は慣れた手つきでマドカの手首に手錠をかけていく中、マドカはそれをみつめながらきいた。





「なに?」






すると、不安そうな顔で私を見つめる。






「私は真白を友達だと思ってていいのかな?」






その質問に、胸が痛くなる。
ずっと、ただ気づいたら遊んでいた関係。






だけど、気づいたら私はマドカを頼り、マドカも私を頼ってくれる。





口約束や関係性を気にしたことなんて、正直なかった。でも、今ならハッキリ言える。





「親友に決まってるじゃん!マドカ」





マドカは、徐々に大粒の涙へと変わっていく。そして、心からマドカは嬉しそうな笑みを浮かべていた。







「ありがとう、真白」






涙を流し、ここ一番の笑顔を私にくれたマドカ、私も忘れないでという思いを、笑顔に込めて、頷く。






そして、マドカは前を向き、石川に連行されていく。






倒れそうな私を、瞬が支えてくれた。






「僕たちもいこう」





瞬に背中を押されて、私も一歩ずつ歩き始めた。






もう、二度と踏み入れることはないだろう。






錆びた私たちの最期の居場所。