「実はね、以前真白ちゃんと仲が良かった女の子がいるんだけど、その子の彼が薬物の疑いで狙われてる」






瞬は先ほどと違う緊張感が走る。






「最近、真白ちゃんみかけないみたいなんだけど、もちろん、補導されないのはいいことよ?ただ、心配で」






瞬は軽く安堵した。自分たちのことはバレていない。しかし、瞬の中で、私の友達がきっとマドカだということは気がついていた。





一度だけ、私に声をかけた時に、マドカの顔を瞬は見ていた。






「それは、僕の管轄できる地域ですか?」





「ええ、少し微妙だけど、繁華街近くだから」






瞬の中で一つの野望が生まれた。





「宮城さんにも話して、その辺強化して見回りしてきます」






「ええ、お願いします」






強い決意をしたような表情の瞬に、石川はどこか不安になった。






「でも、深入りは禁物よ。危険な場所だから」





そう忠告する石川に、軽く会釈して去っていった。