私は学校が終わるとすぐに、家で私服に着替えて、再び外へ出る。





指名ということは、一度会ったことある人か。




指名なんて面倒だけど、指名料で千円アップする。それだけでも私には有難い。





繁華街の路地裏。





どこからか、錆びついた臭いがいつも漂っている。





嫌いだけど、バイトを請け負うにはここに来なければ情報が貰えない。





この古ぼけたビルの一階にある、クラブに入ると、営業前の静まり返ったホールがあった。




その近くのカウンターに座る男女。





マドカと彼氏のジョージ。
本名は知らない、ただ名乗られたからその名を呼んでいた。





「おっ、来たか。オシロ」





ジョージはタバコを灰皿に押し付けて火を消す。




「指名って誰よ?」





こいつは、どうしても好きになれない。
話し方もきつくなる。