そんな私の目の前に、白い猫がゴミ箱の陰で雨宿りをしていた。




なんだか、私に似てる。



私の名前は『真白』



でも、実際は大いに名前負けしていて、私は穢れている。





母が連れてきた彼氏は、母がいない時、私を性的なはけ口として、おもちゃのように扱う。どんなに抗っても、敵うはずのない腕力。





それが悔しくて、やるせなかった。




母に、相談もできず、私はどんどん穢れていった。




それを利用するように、私は自分の身体を売ってお小遣いを稼ぐ。





いわば、援助交際。





穢れた私は、知らないオヤジも怖くない。
お金が全てだから。





お金と罪で私は堕ちていく。






この猫のように、茶色く毛が汚れて、誰にも助けてもらえない。




「おいで」




私はその猫を抱き抱え、また当てもなく歩いていた。




誰か、私を救ってくれる人を求めて、私はいつまででも、彷徨いつづける。