警察署では、母親とあいつがいた。





心配しているようには見えない。
きっと、母親はあいつに言われて、渋々届けを出したのだろう。






母親には私は必要ないのに…





「なんで…なんで、一ヶ月以上放置してたくせに、今更届出出すんだよ!」






私は警官に囲まれたまま、母親に怒鳴るように、叫ぶように言い放った。






警官の中に宮城も入ってきた。




私の家庭の闇を知っているからだろう、目を背けるように、下を向いている。






「宮城さん、嫌だよ。あんな人たちの住む家は、生き地獄だよ」






私は宮城に縋るように言った。






「真白…」





宮城も困った顔で、私と目を合わせてくれない。






誰も、私を助けてくれない。






いつも優しく手を差し伸べてくれていた瞬の姿は、ここには無い。







もう、生きているのも私が放棄してしまいたい気分だ。