「捜索願が出ている以上、あなたをお母様の元へ戻さなければいけないの」





分かっているよ。でも、私の居場所はここ以外ないんだ。






「瞬ちゃんは?今どこ?」





「森岡くんは、取り調べうけているわ」






目の前が真っ暗になる。
瞬が捕まってしまった。






「瞬ちゃんは悪くない!今すぐ出してよ!」







私は石川に摑みかかるように、腕を強く揺さぶった。






そんな私の目を、石川は悲しい目で見つめ返してくる。







「真白ちゃん、今届けが出ているのは、あなたの親御さんなのよ。それに反することをしていたのは、森岡くんになるの」





世の中の正論はそうかもしれない。
法律的にいったら、私たちが悪いのかもしれない。






でも、現実はちがうじゃない!




「そんな世の中おかしいよ!だって、私は虐待されてきたんだよ?出ていけっていわれたんだよ。なのに…」






私は無力過ぎて、涙が溢れる。





届出を出した者が正義なの?
被害者なの?





そんなの、おかしすぎるよ。