私たちが知らないころ、派出所についに、奴らが動き始めていた。






対応するのは、宮城だった。





宮城はなるべく、心情を出さないように努める。





「娘さんはいつから家に帰っていないんですか?」






宮城の質問に、母は言葉を詰まらせる。






「それは…」





「もともと、仕事も忙しいし、会わない日もありましたよね」





そう言って奴が母をフォローすると、母もそれに頷く。






「とりあえず、娘がいないんです。探してください」





それだけ言うと、二人は逃げるように帰っていく。






「厄介なことになったぞ…森岡」






宮城は去りゆく二人を見つめながら、苦痛に顔を歪めて呟いた。