あんなんでも、生活していくには、働かなくてはいけないはず。母はべつにお金持ちでもないから、あいつもそこは分かっているはず。







ちゃんと働きもしないで、母親だけの給料で生きているとしたら、さすがに、なんだか私も納得がいかない。






「真白?」






考え込んでしまい、黙り込む私を瞬は不思議そうに顔を覗き込んだ。





その顔の近さを利用して、私は軽く瞬の唇にキスをした。






瞬は驚いた顔になったけど、笑顔になって私の頭を撫でてくれる。






「悪戯っ子だな。まったく」







大きくて温かい目で手のひら。
この瞬間も私には、何度訪れてもドキドキして幸せが溢れ出しそうだ。





本当に私は瞬が好きだと思い知る。





そして、本当に私は瞬に愛されている事を感じ取れる。





「瞬ちゃん、大好き」





そういって、ハグする私に包み込んでくれる瞬の腕、もっと、たくさん感じていたいよ。