「何？響は亜実の事好きなわけ？」


「それは……」


"好きだ"

たった2文字の言葉が思うように出ていかなくて。

こないだも亜実に1番言いたかった言葉…


でもやっぱり俺はまだあの時の事引きずってて、カップルって関係になる事に躊躇してる。


「好きでもないのに、近づくなよ。
その中途半端な関係で亜実の事今以上に傷つけられたくないし」


「いや、でも…」


「でもじゃないよ。全く関わるなって言ったら亜実俺の事嫌いになっちゃうだろうから、
登下校くらいもうやめなよ。2人っきりとか不安すぎるしさ。」


今日あった事とか振り返ると本当にそうした方がいいような気がした。


もう話さないでおこう。

亜実の事好きだから。


今の中途半端な俺じゃ大和の言う通り傷つけるだけかもしれねぇ。


「わかった。やめるよ」


「よかった。響ならわかってくれると思ったよ。」