春先の冷たい風邪が私の体に突き刺さる。 もう日も暮れて辺りは暗くなり始めている。 中学を卒業して数週間たつ。後少しで高校の入学式がある。 私の名前は楠 朱音 (くすのき あかね) 明日で高校1年生になる。 『そろそろ帰るか...』 まだ寒さの残るこんな夕方に私は街に来ていた。