レオ、ありがとう。皆、ありがとう。


あたしを認めてくれて。あたし自身を見てくれて。


「やったー!」


ありがとう、その言葉を言おうとしたら、猫宮さんが抱き着いてきた。


「良かった。未音ちゃんがここに来てくれるなんて嬉しいよ!」


ニコッと笑った猫宮さんは、右目に涙の粒が小さく出来ていた。


「猫宮さん……。……皆、認めくれてありがとう。あたしを信じてくれて……ありがとうっ!」


ねぇ、あたしは不思議でならないよ。


認めてもらえて嬉しいの。これで倉庫の仕組みが分かるから。


計画通りに全てが順調なのに。


……なんなんだろう。


この胸のざわめきは。この……黒いモヤモヤとした塊は。





ねぇ、皆。あたし達は絶対に踏み込まなかった線があったよね。


あたしは、その線にだけは近付くこともしなかったの。


なのになんでだろう。あんなことになったのは。


あたしは、どこかで道を間違えてしまったのかな……。