【完】こちら王宮学園生徒会執行部




去年転校してきたときは姫として色々疎ましく思われていただけに、気軽に声をかけられると逆に戸惑う。

……まあ、今年の生徒会役員も美形ぞろいだから。



1年の女子生徒たちからは、ひそかに「美形ばっかり寄せ集めた」って裏で色々言われてるみたいだけど。

わたしの薬指には彼からの指輪があるし、2、3年生はわたしの彼氏がいつみ先輩であることを知っているから、直接何か言われることはない。



「おはよう、南々先輩」



「おはよ〜、南々ちゃん」



かけられる声におはようを返していれば、ふと掛けられたのはゆるやかな声。

振り返れば、歩み寄ってくるのは。



「おはよう。椛、呉羽」



今日も色気を撒き散らしている椛と、高校生になっただけなのになんだかぐっと色っぽくなった呉羽の姿。

周りの女の子たちがきゃあきゃあ言っているけれど、その気持ちはよくわかる。




春休み中に、髪をマットブラウンに染めた椛。

グラデーションで毛先だけはオレンジベージュのままなのだけれど、すごく大人っぽくなった。



そして、呉羽、と呼ぶようになったのは椛の弟。

出会った時と変わらず黒髪なのに、兄に似て、なんともいえない色気がある。



椛は2年の途中から、C棟に泊まることも減ったのだけれど。

3年になってからは完全になくなり、今は毎日弟と一緒に通学だ。



「初の女性生徒会長、案外好評だねえ」



くすくすと笑う椛。

さっきまでわたしが挨拶をされていたのを見ていたんだろう。揶揄う口調の彼に、思わず眉間を寄せてしまうけれど。



「まあ、嫌われてたら仕事やりづらいから」



あえて少し的外れな返事をして、

3人で一緒に生徒会棟へと足を向けた。