ベッドに押し倒され、深いくちづけを受ける。

途中で息苦しくて抵抗するわたしの手を繋ぎ止めた彼は、室内の照明を落として、わたしを見下ろす。



「……わざわざ買ったんだろ? 水着」



「うん、いくみさんと一緒に……」



「血繋がってんだから、姉のことなんかどうでもいいけど。

俺はほかの男に、お前の肌を見せたくない」



「っ……や、別に見せてるわけじゃ、」



「でもムカつく」



噛み付かれるようなキスで、逃げることも許してもらえないまま。

言葉通りたっぷりと"お仕置き"されたわたしの話は、あまりにも濃厚過ぎて人には話せない。




翌日、なんとなく察してるだろうみんなとロクに目を合わせることも出来ず。

恐らく同じような出来事があったであろういくみさんとわたしは、みんなでお土産を選ぶ中、こっそり影に隠れて。



「……もう二度といつみに嘘つけません」



「そう? 今回みたいな遠出は無理だけど。

ふたりにナイショでまたお出掛けしない?」



「タフですねいくみさん……」



「だって、散々怒られたけど。

嫉妬されていつもより強引なのも、悪くないじゃない?わたしは昨日すごく"良かった"けど」



いくみさんの言葉の意味に気づいて顔を赤くするわたしに、彼女はくすくすと笑う。

確かに、執拗なくらい愛されるのも悪くは無かったけど……なんて思ってしまうんだから、わたしもどこか思考回路がやられたらしい。



「……たまにならナイショでもいいですよ」



【番外編 sister】



ああ南々瀬ちゃんに悪いコト教えちゃった、なんて思いながらも満足気味ないくみと、いつみからの愛で満たされている南々瀬ちゃん。

最強姉妹のナイショの遊びは、まだ続きそうです。