「10代怖い……」



「また年下扱い?

その言い方で俺の事置いてかないで」



「置いてってない。

むしろ、あたしの方がわがままだし子どもっぽいし……あたしのこと置いてかないでよ」



寂しげな瞳で。

俺のことを見つめるいくみの髪を、そっと撫でる。



「……置いてかねえよ」



「最近またモテてるの知ってるんだからね」



お前にしか興味無いよ、と。

囁いてキスを落とすと、いくみは満足そうに口角を上げた。そのいつも通りの自慢げな表情は、ずっと俺が見てきた珠王家の長女の面影を残す。




「……結婚しよう、いくみ」



「え、」



「今すぐは無理だけど。

……俺がちゃんと養えるようになったら」



ずっと一緒にいたいとは、思ってたけど。

結婚しようと思えたのは、他でもない幼なじみが、幸せそうに暮らしているのを見ているからだ。



しれっと"俺の嫁"と言ったいつみのことを思い出す。

愛し合ってるなら関係に名前なんていらないのかもしれないけど、それでも、いくみを自分のものにしたいと思った。



「……うん、ずっと一緒にいてね」



【小ネタ3 女王様の、裏の顔】



いつみと南々瀬にトラブルがあればいくみと夕帆が、いくみと夕帆にトラブルがあればいつみと南々瀬が動く、永遠の仲良し幼なじみ。

今回も南々瀬ちゃんが、頑張ってくれました。