さっきからこの子は一体なにを言っているんだろう。なにがしたいんだろう。
いやもう、本当に意味がわからない。
そもそもどうしてこんな話になったんだっけ。
部屋が綺麗とか言ってなかった?あれ?なんでこうなったんだっけ?
……だめだ。夕陽のせいで思考がまともに働かない。
考えるのは早々にあきらめて、顎に触れたままの夕陽の手を払う。それから視線を外して、赤い顔を両手で覆って隠した。
「お前は一体なんの話してんだよ〜」
ふっと。
隣で呆れたようにつぶやいた椛が立ち上がったのが、気配でわかる。指の隙間から覗いてみれば、彼はおもむろに夕陽に歩み寄って。
「すげえ好きなんだろ〜?
言われなくてもお前の気持ちなんか、み〜んなわかってるけどよ〜」
ぴっと首根をつかむと、わたしから引き剥がす。
そして。
「色気づいてんじゃねえぞ、エロガキ」
彼の席まで夕陽を引きずっていったかと思うと、低い声で言い放ってソファにぽいっと投げた。
……椛って、絶対夕帆先輩の口の悪さを受け継いでると思う。
「はあ? あんただって大差ないじゃん」
「俺のどこが色気付いてんだよ〜」
「そっちじゃなくてエロガキの方だよ。
今は知らないけど、あんた前は人妻漁りして、」
「ははっ、沈めてやろうか」
……ねえもう仕事していい?
このままだと一向に進まないから放っておいて良い?



