「例の"セレモニー"のことでな」



「……いいことなの? それ」



「ああ。……南々瀬、もしくは夕帆。

あとは、話を聞いた限りじゃお前らも参加してたらしいぞ、ルノ、ルア。……誰か、あのセレモニーがあった場所、覚えてねえか?」



「ちょっと待ってルノとルアもいたの!?」



なにその衝撃的な事実……!

でもあれには八王子も関わっていたらしいし、別におかしくはないけど。



幼い頃にわたし、いつみ、夕帆先輩、ルノ、ルア、さらには茉文まで出会っていたのかもしれないと思うと、いまさらながら驚いてしまう。

そういえば、茉文は元気だろうか。



いつみが起こしたあの一件で、政界の官僚はのちに続々と逮捕された。

あの計画の中心人物ばかりだったせいで、わたしたちはあれから平和な日々を過ごしているけれど。




再度電話したら、繋がらなかった。

……きっとそれが彼のプライドなのだとわかっているから、わたしはまた来るであろう「運命」を信じて、待つだけだ。



「無理だろいつみ。

俺といつみですら4歳っつうことは、南々瀬ちゃんで3歳だろ?んで、こいつら2歳だぞ」



「なんとなくの特徴でいいんだよ」



「洋館、じゃ、なかった……?

でも夕帆先輩が、前に調べたけどわからなかったから、って、」



広い洋館だったと思う。

バラ園のある広い洋館。……そのバラを見ながら話していたから、たしかわたしは彼に「青いバラが好き」だと告げたのだ。



「ああ、確かにその洋館はもうねえよ。

……その年に取り壊されてるからな」



「なら、」