「で、南々瀬は誰と付き合ってるの?」
異国交流の、ちゃんとした名義で学校に来た彼らと顔を合わせたあと。
先生たちをどう説得したのかは知らないが、茉文はわたしたちと同じように生徒会棟に居座っていた。……交流する気がまるでない。
「誰って……茉文の知らない人」
「うん、だから誰なの?」
「……ひとつ上の先輩で、
3月までここの生徒会長だった人」
たぶん交流とかどうでもいいんでしょ。
絶対わたしに会うためだけに来たんでしょ。
……っていうか、それならこんな大掛かりな方法で来なくても。
プライベートで来られたらそれはそれで面倒だけど、何も学校行事を巻き込まなくてもいいのに。
「ふぅん。……会わせてよ」
「は、い?」
「だから、会わせてって。
いいでしょ別に、会うくらいなら。どんな男なのか、僕が見定めてあげようと思ってるだけだよ」
何を言ってるんだこの男。
もう一度言う。何を言ってるんだこの男は。
「忙しい人だから無理よ」
「なに、社会人?
偏見かもしれないけど、高卒で働いてるなんてなおさら僕は反対だけど、」
「違う、大学生。
でも珠王の跡継ぎだから、忙しいの」



