そしてとんでもなく勘違いされている。
「わたしがいつそんなこと言ったの?」と顔を顰めたところでなんのその。というか、基本的に自分の都合の悪い話をこの男は聞こうとしない。
「言ってないよ。
だって僕と南々瀬は一心同体だし」
「わたしはそんなの初耳だけど」
「この地球上で出会える相手なんて限られてる。
そして僕と南々瀬はその地球上で巡り会えた。ね?運命共同体になるにうってつけの相手でしょ?」
「ごめんその理論でいくとわたしはみんなと運命共同体だと思うの。
茉文だけに絞られる要素はなかったわよ」
「シャレなのにツレないなあ。
……まあ、そういうところ好きだけどね」
誰かこの男を殴って正常にしてくれないかな。
……いやでも、殴られたくらいでこの男が正常になると思えない。本当に、考えれば考えるほどめんどくさい男だ。
「どうでもいいけど、」
ぽつり。
口を開いたのは夕陽で、助け舟を出してくれそうなその雰囲気にホッとしていたら。
「ナナと運命共同体なのは俺の方でしょ」
っ、違う……!
わたしの求めてた答えと違う……!
「夕陽~。言いたいことはわかんなくもねえけど、とりあえず話ややこしくしねえの。
んで?南々ちゃんとソイツの関係は~?」
「ん? だから、運命共同た、」
「違う留学先での同級生。
出会った瞬間から一方的に好かれてるの」



