番犬男子






「は、はじめまして」


「ふふ。はじめまして」



あまりに綺麗すぎて、挨拶してしまった。


だ、だって、あたしより女っぽいんだもん!




「雪乃【ユキノ】、あんま驚かせんなよ」




遊馬に雪乃と呼ばれた男子が、遊馬からあたしに視線を戻して、こてんと首をかしげた。



「私、驚かせちゃった?」




あ、今、一瞬。

悲しそうな表情をした。


どうして?




「いえ、あたしは驚いたんじゃなくて、あなたの綺麗さに息を呑んだだけです!」


「あらっ、嬉しいこと言ってくれるじゃない」



正直に言ったら、頭を撫でられた。



全然不良に見えない。


双雷には、こんな人もいるんだ。