――やっぱり。
2人とも、双雷の一員だったんだ。
不良たちが敬っているということは、双雷の中でも上の立場なのだろう。
暴走族って、上下関係しっかりしてるんだ。
意外だな。
2人を見ていた不良たちが、あたしに気がついた。
敬意にあふれた眼差しが、一変して、訝しげなものになる。
こうなることはわかってたけど。
なんだろう、ちょっと、嫌だ。
居心地が悪い。
「お前ら、遅ぇよ。パトロールにどんだけ時間かけてんだよ」
ふと、階段のほうから、尊敬の欠片もない文句が聞こえた。
顔を向けると、階段の手すりにもたれかかりながら、階段の段差を利用して座っている、灰色の髪をした1人の男子がいた。



