番犬男子





ギィ、と軋む音を立てながら、扉の奥があらわになっていく。



完全に開いた扉の先につながっていたのは、天井に豪華なシャンデリアが設置されてある、だだっ広いホールだった。




そこには、色とりどりの髪色をした不良が集っていた。



すごく多いわけではないが、特別少ないわけでもない。


ひとクラス40人の学級より若干多いくらいの人数だ。




本当に、あたし、双雷に来たんだ。



やっと実感が湧いてきた。


ここが、暴走族のテリトリーにやって来たということに。



あたしは覚悟を決めて、一歩、洋館内に踏み入れた。





「こんちは!」


「遅かったっすね!」


「パトロールお疲れさまっす!!」



あたしの後に洋館に入った遊馬と幸汰に、ホールにいる不良たちが続々と声をかけてきた。