どうして、だろう。


どうして、俺は。

あの女が嘘をついていないように感じたんだろう。




「総長にも指示された通り、もっと詳しく調べてみます」



そう言って、幸汰はノートパソコンを持ってきて、より深い調査を始めた。


稜も自分のスマホで、もう一度検索してみる。



情報収集は、双雷の得意分野。


簡単なプロフィールはもちろん、ハッキングをして企業秘密を入手することだってできる。嘘か誠か判断するのも、言わずもがな俺ら自身。そういうの全部含めて、得意だった。



しかし。



「ロウちゃん、どう?」


「……大したのは出てこねぇ。さっきの記事が限界だ」



しばらくして、稜が投げやりにスマホの画面を閉じた。


こういうネットを活用した情報収集の担当は、全員でもやるが、主に稜がやってくれていた。



そんな稜が、限界だって?嘘だろ?