番犬男子





嫌われなくてよかった。


思い出してくれてよかった。



お兄ちゃんに会いに来て、よかった。







「兄妹水入らずでイチャついてるところ申し訳ないけど、そろそろいいかしら?」



パチン!

雪乃が1回手を叩いて、“喜んでお口チャックさせてもらいますタイム”に自ら終止符を打つ。



「イチャついてねぇよ!」


「ふふっ、はいはい」



異議を唱えるお兄ちゃんに、バッと速やかに体を放されてしまった。



今日くらい、感動に浸ってもっとハグしててもいいじゃん。


お兄ちゃんのケチ。



「2人の過去も気になるけどさ、まず手当てしろよ」


「あっ、忘れてた」



遊馬が呆れ顔でため息をつく。