番犬男子





茶髪の男子が、気弱げにあたしを一瞥した。



「ただ、あなたのおっしゃるとおりだなと思って」



すると、金髪の男子も笑みを浮かべた。



「そうだよな、こういう時は俺から名乗るべきだよな!」


悪い悪い、と軽く謝られる。




話のわかる人たちがいてよかった。


これで「お前の態度が失礼だ」って怒られたら、どうしようかと思ってた。




男子2人は一度立ち止まる。


それにつられて、あたしも一時停止した。




「俺は、相良 遊馬【サガラ アスマ】っていうんだ。よろしくな!」


「僕の名前は、照本 幸汰【テルモト コウタ】です」




あたしのほうを向いて、自己紹介する。



金髪の男子が、遊馬。

茶髪の男子が、幸汰。




もしも、本当に、あたしの第六感が正しければ。


これからよろしくするかどうかは別として、ここで彼らの名前を覚えておいたほうがいいだろう。